Green Living Movement
の活動は2000年にザンビアから始まり、フィランドとスワジランドまで広がった。GLMは先進国と途上国の人々の架け橋となることを目標に掲げ、人々が本当の意味での「参加」や個人、コミュニティの能力構築を通じて環境や社会開発への熱意を共有することを第一に考えている。
GLMは環境に対する意識の欠如や、それが及ぼす貧困を懸念する人々によって創設された。住民本位で参加型のアプローチを重視しており、これは中国の革命家、ジェームス・イェンが示した「虎穴に入らずんば虎子を得ず。コミュニティに行き彼らの一員として生活し、彼らから学び、彼らと共に計画を練り、彼らが持つ知識と物で始めていく」という哲学を念頭に置いている
この哲学をもとにGLMはローカルコミュニティや他の団体と提携し、能力や知識をコミュニティの人々の間に育み、住民自身がプロジェクトを管理運営できるようになった。GLMのメンバーや各国からのボランティアがコミュニティの住民と共に同じ時を過ごし、学び、共有し計画する。こうしたアプローチは、発展に携わる人々はプロジェクトの発案から実施、評価に至るまでのサイクルの一部であるべきという信条に基づいている。
プロジェクトProject
CLNRMCB(Community Livelihoods, Natural Resource Management and Capacity Building=コミュニティの生計、自然資源管理と生産能力構築)CLNRMCBは2008年からトゥルク大学(TUO)応用科学科の学生組合とのパートナーシップで行われており、フィンランド外務省によって資金供給されている。プロジェクトの目的は、家庭の食料と所得保障の改善に向けて地域社会の取り組みをサポートし、持続可能な生産性を高め、地域社会や行政レベルでの管理を強化することである。このプロジェクトは、農村部(GLMのプロジェクトエリア)での様々な生産能力構築とインフラの開発プログラムを実施している。パートナーシップの最初の3年間の契約は2010年12月31日に終了し、新しい3年間の(2011-2013)パートナーシップ契約が締結されている。新しい契約では既存のコミュニティ活動の規模を拡大し、他のエリアでも同様の活動を実現することを目指している。
インフラの開発
年よりコミュニティ手動のインフラ開発プログラムを促進するため、フィンランド開発協力センター(Kepa)、エディンバラグローバルパートナーシップ、ドイツ大使館、トゥルク大学の学生組合と共に活動している。
- セレンジェ、ナンボにあるルクサシ川に50メートルの橋建設
- セレンジェ、コンダルムワンシャに診療所建設
- セレンジェ、ニンボにメイズ製粉機の寄付および製粉所の建設
- セレンジェ、クンダルムワンシャに作物販売所建設
- セレンジェ、チボボに作物販売所の建設
- セレンジェ、ルアンシンバおよびナンボにコミュニティスクール建設
- セレンジェ、コンダルムワンシャにメイズ製粉機の寄付および製粉所の建設
- セレンジェ、チボボにメイズ製粉機の寄付および製粉所の建設
- セレンジェ、ルアンシンバに養豚場の建設
- ナンボに作物販売所の建設
- モング、ムオヨにおける養豚場の建設
コミュニティ貯蓄制度
GLMは、貯蓄によってコミュニティの所得保障を高めるためのプロジェクトを開始した。現在ザンビアの銀行は、高金利と銀行手数料のために小規模農家の利用には適していない。GLMは、複数の貯蓄方法を提供するプロジェクトを導入し、農家の人々が手頃な融資条件、利息で利用することを可能にした。このプロジェクトは現在セレンジェ地区にチボボ、コンダルムワンシャ、ナンボで試験的に行われており、20以上の農家や農民グループが参加している。
保育所
年コンダルムワンシャにGLMにより開設された。ここには公立の幼稚園に入学することができない7歳以下の幼児が在籍している。保育所には2つの目的がある。一つは幼児教育の提供、もう一つは育児、家事、農作業などの複数の役割を抱えている農民、特に、女性の負担を軽減することである。学校はボランティアにより運営されている
ボランティア受け入れ
GLMは2001年からフィンランドのボランティアプログラムのETVOと提携している。2人の GLMのメンバーがフィンランドでボランティアをし、21人のフィンランド人ボランティアが、GLMで活動してきた。そしてエディンバラグローバルパートナーシップにより大学生や地元学生、専門学生など計50人が2001年以来、GLMのプロジェクトで活動している。
所得創出プロジェクト:メイズ製粉機(2005-2008)、養豚場建設(2009-2010)、鶏肉の生産(2010)
多くの小規模農家の収入は次の作物収穫時期までもたず、基本的生活を送るために必要な保健や教育費を払う余裕すらない。所得創出プロジェクトでは農民の畑を拡大し、収穫量を増やすことができる。GLMザンビアはメイズ製粉機3台と養豚場2か所を5つのコミュニティに支援した。このプロジェクトはドイツ大使館(メイズ製粉機1台と養豚場1か所)とエディンバラのグローバルパートナーシップ(メイズ製粉機2台と養豚場1か所)によってサポートされている。鶏肉の生産プロジェクトは、GLMフィンランドの支援を受けてチボボで開始されている。
持続可能な農業と地域社会のための天然資源管理における能力構築
2008年から2009年、このプロジェクトはザンビアとの提携で実施された。プロジェクトの主な焦点は、コミュニティ内における能力の差を改善することであった。リーダーシップスキル、有機農法、有機害虫駆除、収穫後の作物の管理、蜂蜜加工とマーケティング方法が改善点として挙げられ、訓練が行われた。
農業コミュニティの生産能力構築
当プロジェクトは2007から2008年にGLMザンビアのプロジェクトエリアにおいて、Participatory Ecological Land-use Management(PELUM -ザンビア)と農民グループとの提携で行われた。このプロジェクトはコミュニティの能力構築、特に魚の養殖(魚の池の建設を含む)、有機園芸と家畜の生産(ヤギや牛)に力を入れて行われた。
コミュニティの農作物、健康と所得保障プロジェクト
2007年から2008年にかけて、カナダ高等弁務官とのパートナーシップによって実施された。当プロジェクトでは農民を巻き込み、植林地や果樹園を開き運営を行った。プロジェクト全体の目的は、地域社会の環境、各世帯の食料、所得保障、生計を向上させることであった。プロジェクトはセントラルプロヴィンスのセレンジェにある4つのGLMの活動場所、コンダルムワンシャ、ナンボ、ルアンシンバ、チボボで行われた。全60の農家がプロジェクトに参加し、プロジェクト終了時にはドキュメンタリーDVDが作成された。
グリーンタイムズ紙のプロジェクト
グリーンタイムズ紙は2003年から2005年にかけてGLMにより刊行された月刊紙で、環境問題等を発信し、農民たちの間の環境問題に対する意識を高めた。 このプロジェクトは、ザンビアの伝統的なメディアが適切に環境問題をカバーしていないという認識に基づいて開始された。本紙は、環境悪化、森林、気候変動、ジェンダー、国内および国際的な開発政策及び規則、農業、人間開発などの問題の範囲をカバーしている。農村社会の人々に有識者やコミュニティ外の人々との意見交換の場を提供した。また、環境問題擁護のツールとして環境活動家や学生により活用され、各個人の情報源としても利用された。
能力構築、土地の管理と持続可能な発展
2001年から2007年に、フィンランド開発協力センター(Kepa)と提携して行われた。プロジェクトの目標は、持続可能な農業と地域社会の能力構築に重点を置いて天然資源の持続的利用を促進することであった。セレンジェとカピリムポシで150人の農民がアグロフォレストリー(林業と農業を組み合わせた、森林の持続可能性に配慮した農法)と養蜂の訓練を受けた。プロジェクトはまた、GLMザンビアの活動地域における地域社会の管理構造とガバナンスを強化し、GLMザンビアのスタッフとメンバーは様々な能力構築プログラムに参加した。
ビレッジVillage
セレンジェ、コンダルムワンシャ
セレンジェ南部に105kmに渡り位置する。人口は約5000人。ミオンボ森林地帯がこの村の森林の大部分を占めているが、近年の開墾目的の森林伐採等により甚大な被害を受けている。2000年まではいかなるNGOもこの地域で活動を行っていなかったため、村の開発に介入したのはGLMが初めてである。2003年にはフィンランド開発協力センター(KEPA)と共に土地管理と能力構築のプロジェクトを開始した。また、このパートナーシップのもと作物販売所建設も行われた。2004年にはスコットランドのエディンバラグローバルパートナーシップ(EGP)の資金提供により診療所を建設した。また、在ルサカドイツ大使館の援助によりGLMと提携する農民へメイズ製粉機が贈られた。
セレンジェ、ナンボ
ナンボはセントラルプロビンスのセレンジェ地区南西部に位置し、約2000人の人口を有している。ルクサシ川を越える直線距離ではセレンジェ地区から40㎞で、メイン道路のチバレリング通りを利用した場合120㎞の距離に位置する。ナンボは主に丘陵地帯で素晴らしい景色に囲まれている。ナンボ川は村の主な水源となっている。人々の多くは農業で生計を立てている。2001年からGLMは3つのファーマーグループとナンボコミュニティスクールと共にプロジェクトを開始した。ファーマーグループのメンバーはさまざまな能力構築プログラム(アグロフォレストリー、養蜂、リーダーシップスキル、財務管理、組織活動)に参加した。GLMはまたルクサシ川に橋を建設し、新しい学校やメイズ製粉機の導入を援助した。これらのプロジェクトはエディンバラグローバルパートナーシップ(EGP)によりサポートされている。
セレンジェ、チボボ
チボボはGLMが最も長く支援に携わっている地域で、2000年よりチボボの開発グループと共にプロジェクトを開始した。セレンジェ中心部から30㎞。10地区に分けられ、300世帯、人口は約2500人である。GLMは4つファーマークラブでのグリーンビレッジプロジェクトを行っており、持続可能な農業、天然資源管理、財政管理、リーダーシップ、土地管理のプログラムを実施している。
カピリムポシ、チリパムシ
セントラルプロヴィンンスのカブエから東へ30㎞に位置する。社会的、経済的にカブエと密接な関係にあるものの、行政的にはカピリムポシ地区である。GLMが携わる他の地域が同質的であるのに対し、ここチリパムシは典型的な街に囲まれた村で非常に流動的で多様である。交通も通信もアクセスが良い。2003年よりチリパムシアグロフォレストリークラブとともに土地管理と能力構築に取り組んでいる。2000年初めに当団体の理念に基づき参加型農村評価(PRA)を行い、これからのプロジェクトをよりよいものにした。この村のファーマークラブはGLMが携わるグループの中で最小で、現在6つの世帯から成る
セレンジェ、ルアンシンバ
ルアンシンバはセレンジェの町からルクサシ川を越える直線距離で50㎞、チバレリングロードでは115㎞の位置にある。1908年に村が設立され現在では約2000人の人々が暮らしている。村の主な収入源は農業で、複数の水量豊かな川が良質な商業園芸や魚の養殖を広い範囲で可能にしている。GLMは二つのファーマーグループの形成を手助けし、これらのグループは持続可能な農業や作物販売に従事している。2006年にはエディンバラグローバルパートナーシップ(EGP)の寄付のもと、村の人々と共にコミュニティスクール建設を行った。
ムンブワ、シンビジ
シンビジはセントラルプロヴィンス、ムンブワビジネス街の郊外に位置する。人口は1万人で、もともとはカオンデ族の地域であったが現在はトンガ族、イラ族、ロジ族、ルンダ族、ルヴァレ族等の流入で多数の民族が暮らしている。ジンバブエ出身の人々も多い。シンビジの居住地区の多くは過剰な森林伐採により深刻な森林不足に陥っている。主な産業は農業である。
ルアンシャ、カフブ農業地区
コッパーベルト地区のルアンシャ南東に位置する。ここはもともとイスラエル人に対して農場開発のために割り当てられたものであったが、このプロジェクトが破棄された際に彼らイスラエル人も撤退し、これらの土地は分割され住民に再分配された。現在は17000人が暮らしており、ビジネス中心街からは30㎞もないが道路状況が悪いためアクセスは良くない。
活動内容
調査員長
セレンジェの農業管理チーフのヴィタリス・ムレンガは、「小規模農家にとって、より収益性の高いマーケットへのアクセスが課題である。GLMのようなNGOは、農民に彼らが持つ経済的潜在能力を気付かせる手助けをすることで素晴らしいサービスを行っている」と話す。
GLMザンビアはザンビアの農村のフィールドワーク知識に長け、プロジェクトの実施や管理も得意とし、コミュニティの発展を包括的にとらえている。多くの場合、問題や解決すべき状況に対処するには、いくつかの介入を組み合わせることが必要である。以下に我々が焦点を当てている活動領域を挙げる。
持続可能な土地管理
GLMザンビアは持続可能な土地管理の実施を訓練し、促進している。主にアグロフォレストリー(林業と農業を組み合わせた、森林の持続可能性に配慮した農法)と無農薬農業を、合成肥料が高額なために使用できない小規模農家に対し行っている。
所得創出
開発者たちは何年もかけ、食の安全確保のためにコミュニティの能力構築に焦点を当ててきた。コミュニティの収入安定の必要性は持続可能な開発をする上でますます重要な要因になった。人々は養育費、医療費、衣服等、最低限必要なものへの支出を避けることはできない。GLMザンビアは所得保障、生活向上のために十分な収入を得られるよう、農村コミュニティの能力を高めるという精神を支持している。
情報共有
GLMザンビアは人々の意識を高めるために、活動を通して得た体験や教訓を文書化している。地方の集会から国際的なフォーラムまで参加するとともに、学びや体験を共有できる場を提供する市民社会ネットワークメンバーの一員でもあるのだ。
HIV/AIDS
GLMザンビアは住民たちへHIV/AIDSの啓発活動を行っている。
コミュニティ交換訪問
農民同士が互いのコミュニティを訪ねあい、効果的な学びの経験を共有する。
能力構築
GLMザンビアは農民に対し、持続可能な土地管理、リーダーシップ、紛争への対応、養蜂財政管理、基礎会計、プロジェクトの監視や評価等の訓練や能力構築を行っている。
コンサルタントサービス
GLMザンビアは地方や国際的な開発機関に対し参加型農村調査(PRA/PLA)、監視、評価、訓練についてのコンサルタントサービスを提供している。
GLM Swaziland
2009年暮れ、GLMスワジランドはスワジランドの法律に基づき正式にNGOとして認証された。当団体はGLMザンビア職員であったアイリーン・ナムココ・ンガンビが中心となり創設された。
2011年6月にはザンビア、フィンランド、スワジランドの代表者会議が行われ、活動内容やこれからの団体としての行く末が話し合われた。スワジランドオフィスが抱える最大の問題はメンバーの数が少ないことであった。しかし、多くの人が当団体の活動に興味を示しているのも事実であり、これらの人々をどう活動に巻き込んでいくかが課題である。
会議でもう一つの争点となったのが、どの村を対象にプロジェクトを行うかであった。いくつかの候補がリストアップされ、後日ムババネ周辺の二つの村を調査した。ドゥランゲニはGLMスワジランドの最初の活動地域で、この貧しい村の食の安全を改善すべく小規模の菜園プロジェクトからスタートした。他にもいくつかのプロジェクトが進行中で、資金提供先も模索中である。
GLM Finland
フィンランド人ボランティアのシニ・ポーラ・レモネンは「今までの人生でこんなに沢山の事を学んだ4か月間なんてなかった。GLMを通じコミュニティでの活動を経験できたことにすごく感謝している」と話している。
GLMフィンランドの役割はGLMザンビア・スワジランドを草の根レベルの活動でサポートすることである。この組織の目的は農村コミュニティへの持続可能な開発の促進や、彼らの生活能力向上である。
GLMフィンランドは2007年にGLMザンビアで活動経験のあるボランティアによって設立された。GLMフィンランドは地方開発プロジェクトをサポートし、GLMザンビアの啓発活動をフィンランドで行い、フィンランドとザンビアを草の根レベルで繋いでいる。その他に月に1度ボランティア活動を行っている。
【GLMフィンランドのメンバーに加盟するだけでザンビアを草の根レベルで支援できる!】入会費30ユーロ(学生または被雇用者は15ユーロ)サポートメンバーは50ユーロ。このお金は直接ザンビアのコミュニティ支援へ使われます。
GLMフィンランドでは企画、啓発、募金活動、新規プロジェクト立ち上げ等でボランティアを募集しています。詳しくはfinland@glmglobal.org